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■死刑囚042
死刑囚042 (1)
小手川 ゆあ

「君は死ぬ。そうやって死ぬんだ」



どちらかというと楽観的というか、性善説寄りな漫画です。
ベルセルクみたいに、幸福から一瞬で絶望の底に叩き落されるような、
あの「うわあぁぁ…」というのはありません。
途中から作者からキャラクターへの愛がはじけ飛んで、
「これ、なんの同人誌?」みたいなノリになってきますが、それも全然イタくない。
むしろ、読んでいる自分もキャラクターたちが愛しくてたまらなくなる、そんなお話です。

「みんなが幸せになれたらいいのにな」

某有名劇団の作品の台詞ですが、本当にそう思う。
みんな、本当は幸せになりたいんです。


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■長い長いさんぽ
長い長いさんぽ
須藤 真澄

須藤真澄氏の漫画に魅入られてから、もう10年以上になる。

小学4年くらいの頃、ようやくお小遣いで雑誌を買うことを覚えた私は、
お気に入りの雑誌を月に2冊ほど購読していた。

初めて読んだ須藤漫画は、シンプルな絵柄に不思議なストーリーで、
それまでに味わったことのない感動を与えてくれた。
お気に入りの作家を追跡するほど、思考力も経済力もなかったので、
その時はそれきりになってしまっていたが、のちに奇妙な場所で再会を果たした。

「ムー」という雑誌をご存知だろうか。

あ、そこの人、引かない引かない。
戻ってきて下さい。

ティーンにはありがちな超常現象への好奇心が、
ちょっとばっかし人より強かっただけなのである。
今でも、幽霊も物の怪も信じている人間だが、
かといって妄信的に何かに入れ込んでいるということはないので。
(司馬蝶くらいだわな)
前世が戦士だったとかそんなのは思ってませんので。ええ。

その有名オカルト雑誌の「編集部便り」かなんかのちっちゃい漫画を、
須藤さんは描いていた。
クレジットは違う名前だったので、「あれ、似てるだけか」と当時は思ったのだが、
あんな独特な絵柄、二番煎じで売れるわけがない。
後に御本人だったと判明したが、なんで別名でやってたんだろう…。
まあいいや。

他にも数々の「偶然の再会」を果たし、
現在ではしっかり須藤チェイサーなわたくしなのであります。


最近の須藤作品で、大きくウェイトを占めている「ゆずシリーズ」
須藤さんの愛猫ゆずくんとの日々をおもしろおかしく綴ったコミックエッセイである。
この人、幻想的な漫画も巧いが、腹がよじれるようなギャグもめちゃめちゃ巧い。
何度笑い泣きさせられたかわからない。
大きくデフォルメされた絵柄とネタながら、猫と暮らしたことのある人間なら
「ああ、そうそう!」と共感してしまうエピソードに溢れている。

そのデフォルメされた物語の中でも、須藤さんの猫可愛がりっぷりは甚だしく、
(見る人によっては「ケッ、アホか」と言われてしまいそうなほどです)
内心「この人、いつかゆず君が死んだら大変なことになりそうだなぁ」などと思っていた。

そしてそれが現実になった。



というか、失礼を承知で告白するが、実は私はゆずは「二代目」だと思っていた。
最初の「ゆずまんが」を読んだのがかなり前のことで、
未だに漫画の方では元気に走り回っていたものだから、
てっきりそんなことだと思いこんでいたのである。
ごめんなさい。


須藤さんの落胆ぶりは私の予想通り、いやそれ以上で、
しばらくはお仕事も手に着かなかったようである。

ペットロスという症状に理解のない人たちに心ない言葉を吐き捨てられているのを見て、
私もつらかったのを覚えている。
どうか、どうか戻ってきてください、そうも祈った。
自分本位だな…。
でもこの人の作品には少なからず影響を受けているので(あまり面には出てないけど)、
このまま作家としての道を終えてしまうのが悲しいと思ったのだ。
そういう人たちには、ずっと自分の先を歩いていて欲しい。
…なんて、甘ったれた考えだろうか。

果たして、須藤さんは戻ってきた。
ゆずの最後の漫画を携えて。


ゆずを失った悲しみ、後悔、空虚さ。
それを乗り越えて、生きることを思い出す姿。

電車の中で読んでいたが、涙が落ちないように目を見開いているのが大変だった。
前に立っていたおばさんは、「なに、この人」と思っていたことだろう。


前に飼っていた猫の時が、同じだった。
私も彼の最後には立ち会えなかった。
放課後、職員室に呼び出され、電話口で訃報を聞いた。
母からの電話を切ったあと、どうしても涙が止まらなくて、
ボロボロと泣いたまま廊下を歩いたことを思い出す。

うちの猫は、農薬だかネコイラズだかにあたってしまい、
かかりつけの病院に入院していた。
彼はずいぶんと人見知りの甘えん坊で、容態よりもそれが心配だった。
ひとりぼっちになってしまって、寂しくはないだろうか、と。
もう良くは覚えていないのだが、入院してからが早かったような気がする。

私は今でも、「孤独」が彼の死因ではないかとさえ思っている。
知らない犬や猫、知らない人間に囲まれ、ゲージに閉じこめられて、
どんなに心細かったろうと思う。
「どうしてこんな辛い目にあっているんだろう」
と思いながら死んでいったのかと思うと、不憫で仕方がない。

その悲しみが、シンクロしてしまった。
(須藤さんのケースの方がずっとヘビーだけど…)

その「死」の後のいろいろが賛否両論の嵐を呼びそうだな、と思いはしたものの、
これは「個人の自由」の範囲内であると私は思う。

「それぐらい愛してたんだよ」ではなく
「それがこの人の愛し方なんだよ」と、言いたい。



ゆずくん、お疲れさま。

須藤さん、おかえり。
優しいだんなさんとちっちゃい二匹に感謝。
またパワフルな漫画、描いて下さい。


あと何十年か一生懸命生きたら、また会える、よね。





■須藤真澄さんの公式サイトはこちら


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■無双3設定資料集って。
漫画や絵を描く時には手放すことの出来ない設定資料集、
意外にも間違いだらけです。
初版での誤植の類は結構話題になっていたようなのでご存知の方も多いかと思いますが、
実は画像部分にもNGは潜んでいます。大量に。

目に付きやすい例から挙げると、

■「バリエーションイラスト」部分のモデルの並びが違う。
夏侯惇及び諸葛亮のページで確認できます。
1-2-3-4-5-6と並ぶべき所なのに、1-5-2-6-3-4の順に並んでるのです。
自分の記憶違いかな? とも思ったんですけど、
モデル5と6は無双2のデザインなので明らかに違いがわかりますよね。
しかも添えられたコメントも誤った図に準じているので、
「おいおい、誰か気付いてやれよ…」と思わずにはいられません。


■「デザインイラスト」がポリゴンモデル及びバリエーションイラストと異なる
司馬懿のページで確認。
・ベルト部分に赤い線が重なっている。
これ、多分下描きとかのレイヤーを消さずに載せちゃったんだと思うんですが…
・右肩の肩当てのデザインが異なる。
・袍の裾の模様が異なる。
原画とポリゴンのデザインが多少違う、というのならばわかります。
ポリゴン化する上で省略なり改良なり、
どうしても変更しなければならない場面というのはあるんじゃないかな、と。
素人考えですが。
でも、「バリエーションイラスト」部分では、
ちゃんとポリゴンと同じデザインのイラストを使っているわけですよ。
それを見ると、決定前のデザインのまま載せちゃったのかなぁとか思ってしまいます。
他、張コウ・曹仁等でも「描きかけ?」みたいな感じのを見付けました。
探せば他にもあると思います。
(でも司馬懿が一番酷い。多分)


というか唯一の手掛かりなのに、ミスせんでくれ。
もう司馬懿のデザイン間違った方で描いちゃったよ。orz

誤植といい、かなりバタバタして編集したんだなぁとしみじみしてみた。
本作った人、アラ探しなんかしてゴメンネ。
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■夢幻紳士
夢幻紳士

超マイナー漫画ながら熱狂的なファンが付いている(と思われる)、
夢幻紳士(作:高橋葉介)
帝都を舞台に謎の美青年・夢幻魔実也が怪奇な事件に挑む。
…というか自分のやりたいようにやる(笑)
まるで正義の味方のように活躍することもあり、
逆に「関わるのは面倒だ」とばかりに突き放すこともあり。
その猫のような気まぐれさが彼の魅力でもあると思う。

実はこの夢幻紳士、大まかに分類して3人の夢幻魔実也が存在する。
10才くらいの少年、10代半ば頃の少年、そして20代半ば(?)の青年である。
作風とキャラクターも独立しており、
ファンの間ではそれぞれ「マーくん」「マミー」「魔実也さん」と呼び分けられている。
本当だよ。
時代設定はどれも大正〜昭和初期くらいなのだが、
マーくんは退廃的な街で起こる怪奇ミステリーを無邪気に解決する、キレると怖い探偵さん。
マミーはいい加減な父親と暢気な母親、押しかけ彼女のアッコちゃんと共に
荒唐無稽な騒ぎに巻き込まれるドタバタギャグ。
(原因は大体親父さんだったりする…)
魔実也さんは現実と闇の世界の間に迷い込んでしまった人間たちを救ったりとっちめたり。
オカルト的な要素が強い話が多い。
そんで、一番艶話も多い(笑)
行きずりの女の子と寝るわ人妻と関係があったとか噂が出るわ、節操がありません。
そいでもってそんな魔実也さんがたまらなくカッコイイのです。
私も抱い(以下自主規制)

高橋葉介さんの絵は独特で、「美形」という設定の男女も少しふっくら目に描かれる。
でも、その滑らかな曲線がなんとも言えない色気を醸し出すものだから、
作品に漂うデカダンな雰囲気に酔ってしまう。
怪奇物や幽霊物を多く手掛けているので、どうしてもグロ系のモノが多々登場するのだが、
必要以上の不快感を感じないのも特徴的だと思う。
それすらも「美学」、というか。

っていうか夢幻紳士の新刊が出てるなんて、知らんかったですよ。
買いに行かねば。
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■エヴァ・ハイネマン@MONSTER
エヴァ


最初は「なんて典型的なダメダメお嬢様なんだろう」と思っていたエヴァですが、
堕ちる所まで堕ちてまたそこから這い上がろうと藻掻く様がとても痛々しくて、
最終的にはテンマやヨハンよりもエヴァの幸せを願ってしまうほどでした。
いつかロベルト辺りにズドンとやられるんではないかとヒヤヒヤしてましたよー。
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